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公開買付の概要(訴状抜粋2)

 

2 本件公開買付の概要とその内容
  (1) 概要
       2009年(平成21年)9月11日、被告クオンタムは、被告吉本が所有する自己株式を除く全株式37,485,962株を取得することを目的として、本件公開買付すると公表した(甲1)。被告吉本は、同日、これに対し、「賛同意見表明」をした(甲2)。
     この概要を整理すると次のとおりとなる。
      買付者 : 被告クオンタム
・ 出資社 :㈱フジ・メディア・ホールディングス(30億円)、日本テレビ放送網㈱(20億円)、㈱TBSテレビ(20億円)、㈱テレビ朝日(20億円)、㈱テレビ東京(10億円)、㈱電通(10億円)、ソフトバンク㈱(15億円)、ヤフー㈱(5億円)、大成土地㈱(5億円)、大成建設㈱(20億円)、岩井証券㈱(5億円)、㈱フェイス(10億円)、京楽産業㈱(20億円)、
上記出資社合計190億円
・ MCo1号投資事業有限責任組合 50億円
・ 買付けの期間: 平成21年9月14日(月)から平成21年10月29日(木)まで(30営業日)
・ 公告日 : 平成21年9月14日(月)
・ 買付け価格 : 1株につき1,350円
・ 買付予定数の下限 : 26,240,174株(平成21年3月31日現在における当社発行済み株式総数から自己株式1,520,841株を差し引いた株式数の70%に相当)
・ 買付予定数の上限 : なし(買付予定数の下限以上の応募があった場合は、応募株券等の全てを買付ける。)
・ 上記金融機関の買収ローン総額 : 300億円
㈱三井住友銀行、住友信託銀行㈱、㈱みずほ銀行
・ 証券取引所開示日 : 平成21年9月11日
・ 本件公開買付けの成立を条件として、全部取得条項付種類株式を利用する方法により少数株主をスクイーズアウト、完全子会社とした後に合併する。
・ 代表取締役会長吉野伊佐男氏及び代表取締役社長大洋氏に対して、本件公開買付けの成立後、買付者及び合併後の買付者の取締役としての職務を行うこと、取締役中多広志氏に対して合併後に買付者の取締役としての職務を行うこと、吉野伊佐男氏、大洋氏及び中多広志氏に対して本件公開買付け成立後も引き続き取締役に留任し、取締役としての職務を行うことを買付者は要請し、同要請にもとづき吉野伊佐男氏、大洋氏及び中多広志氏は経営委任契約を締結することを合意。
・ 買収ローンに係る契約に基づき負担する債務につき、その契約の定めるところに従い、吉野伊佐男氏及び大洋氏ならびに中多広志氏に連帯保証を委託し、吉野氏らもこれを受諾することを合意。
  (2) 本件公開買付の目的
     被告吉本は、テレビ等の放送会社、インターネットサービス事業者であるソフトバンク、広告会社である電通等と資本関係を強化することで、被告吉本の「今後の成長への新たな展望、収益の安定拡大のための基盤の構築に資することにより次のような効果を発揮できる」という(甲1、甲2)。
      『第一に、国内における、本件メディア関連出資者及び吉本間でのコンテンツのマルチユースの加速です。例えば、ソフトバンクと吉本による「S1バトル」の取り組みは、モバイル上の動画コンテンツとして、若者を中心に大きな人気を博し、両者にとって、新たなビジネスモデルを構築する上での画期的な成功例となりつつあります。完全子会社化手続を通じて本件メディア関連出資者と吉本との資本関係が強化された後は当初からマルチユースを見越した企画立案を行っていくことで、吉本は消費者にとって目新しい仕掛け(エンターテイメント)をこれまで以上に大きくかつスピーディーに展開することが可能となります。他にも、例えば広告対象分野を拡大していくこと等、コンテンツマルチユースには様々な可能性が存在します。かかるコンテンツマルチユースに対する吉本によるコンテンツの提供は、吉本にとって、今後中長期にわたり成長の柱となり得る新たなビジネスモデルであると認識しています。
第二に、吉本のコンテンツ及びビジネスモデルのアジア展開です。国内経済が成熟する一方で、エンターテイメント産業を俯瞰すると、今後の大きな成長機会は経済成長の著しいアジアに存在すると認識しています。日本のエンターテイメントコンテンツは、コンテンツそのものだけでなく番組フォーマッットなども含めて、アジアをはじめ世界でも人気を確立しつつあります。公開買付者は、吉本のビジネスモデルをアジアで本賂的に展開することができれば、アジアNo.1のエンターテイメント産業を創出することも可能であると考えています。』
        そのためには、
         『公開買付者は、吉本の現状の課題、今後の戦略及び現状を打開するための積極的なビジネスモデル変革は必ずしも当初の想定どおりに収益に寄与するとは限らずリスクを伴うものである一方、上場企業として重視すべき各期利益の最大化という課題と中長期的競争力の強化という課題は、ときとして両立困難となる可能性もあると考えております。そこで、公開買付者は、公開買付者による吉本の資本再構築を目的とする非公開化が実現すれば、吉本は、簡素化された株主構成の下、経営判断のより一層の迅速化を図り、短期的な業績の変動に左右されることなく、機動的な経営判断が遂行できる組織体制を構築することが可能となるとの判断のもと、かかる吉本の資本構成の再構築を行うことを通じて本件メディア関連出資者と吉本との間のパートナーシップを確立することで、上記のような本件メディア関連出資者及び吉本における企業価値の向上、ひいては日本のエンターテイメント産業全体の成長の可能性を速やかに追求し実現していくことが可能であると考え、本公開買付けの実施を決定するに至りました。』と述べている。
  (3) 全部取得条項付きの種類株式制度の利用
    ① 被告吉本及び被告クオンタムは、次の手続を行い、個人株主の地位を剥奪する。
イ.被告吉本において普通株式とは別の種類の株式を発行できる旨の定款変更を行うことにより、被告吉本を会社法の規定する種類株式発行会社とする。
ロ.被告吉本の発行する全ての普通株式に全部取得条項(会社法第108条第1項第7号)に規定する事項を付す旨の定款変更を行う。
ハ. 被告吉本の当該株式の全部(自己株式を除く)の取得と引き換えに別個の種頬の被告吉本の株式を交付する。
    ことを議案にした被告吉本の株主総会が開催される。
    ② 上記株主総会にて上記イが可決されると、被告吉本は会社法の規定する種類株式発行会社となるが、上記ロについては、会社法第111条第2項第1号に基づき、上記株主総会の決議に加えて、株式の内容として全部取得条項が付される被告吉本の普通株式を保有する株主を構成員とする種類株主総会の決議が必要となるため、公開買付者は、被告吉本に対し、上記ロの定款一部変更を付議議案に含む被告吉本の普通株主による種類株主総会が開催される。
      上記の各手続が実行された場合には、被告吉本の発行する全ての普通株式は全部取得条項が付された上で、その全て(自己株式を除く)が被告吉本に取得されることとなり、被告吉本の株主には当該取得の対価として被告吉本の別個の種類の株式が交付されることになるが、被告吉本の株主のうち、交付されるべき当該別個の種類の吉本株式の数が1株に満たない端数となる株主に対しては、会社法第234条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に端数がある場合には当該端数は切り捨てる)に相当する当該別個の種類の吉本株式を売却すること等によって得られる金銭が交付される。
      当該売却の結果、各株主に交付されることになる金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が保有していた吉本の普通株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定である。
     公開買付者は、原則として、平成22年6月30日を目処に、被告吉本を公開買付者の完全子会社とするための施策を完了させる。
     公開買付者は上記の各手続の実行後に、本件合併を行うことになる。
  (4) 本件公開買付価格等
    ① 被告吉本の普通株式1株あたり1350円とする
          この価格決定は、市場評価法、類似会社比較法及びDCF法による評価においても適正であるという。
       ② 公開買付期間
      平成21年9月14日から平成21年10月29日まで(30営業日)
    ③ 決済の開始日
      平成21年11月10日
  (5) 被告吉野ら役員の処遇
     吉野氏及び大崎氏は、公開買付者との間で、本公開買付け後の公開買付者の取締役への就任等に関してそれぞれ経営委任契約を締結し、
    (イ) それぞれ本公開買付けの成立後、公開買付者の取締役として選任された日から、公開買付者の取締役としての職務を行う。
       (ロ) 上記各経営委任契約においては、吉野氏及び大崎氏が受領する公開買付者の取締役としての報酬や対象者の取締役としての報酬の上限が定められていること。
    (ハ) 吉野氏及び大崎氏が、公開買付者が本件買収ローン契約に基づき負担する債務につき、本件買収ローン契約の定めるところに従い、連帯して保証する。
    (ニ) 中多氏も、公開買付者との間で、合併新会社の取締役への就任等に関して経営委任契約を締結し、
      ・ 本件合併後に合併新会社の取締役としての職務を行うこと
      ・ 本公開買付けの成立後も引き続き対象者の取締役に留任し、取締役としての職務を行うこと
      ・ 上記経営委任契約においては、中多氏が受領する対象者の取締役としての報酬や合併新会社の取締役としての報酬の上限が定められていること
           ・ 中多氏が、公開買付者が本件買収ローン契約に基づき負担する債務につき、本件買収ローン契約の定めるところに従い、連帯して保証すること
 
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