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吉本興業らの主張(第一回)

 

吉本興業、役員、クオンタムら3者の主張内容の一部です。

抜粋、下線は管理人です。おかしな点はご指摘下さい。

 

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吉本興業の主張

1 はじめに
本件訴訟における原告らの主張は,被告吉本興業が「請求の趣旨記哉の議案を付議」する
こと及び「被告クオンタムのTOBを企画し、それを実行きせ、しかもそれに対して賛同意見表明を行った」ことが違法である, というものと思われる。
この点,そもそも原告らの主張する「付議」の意義は一義的でなく,請求の趣旨の特定に疑問が残るところではあるが,その是非は措くとして,後述するとおり,本件公開買付けに係る被告吉本興業の行為は違法でなく,原告らの上記主張は事実に反するか又は独自の評価に過ぎない。
,特に請求の趣旨第1項の差止請求については,民法709条に基づく
請求ということであるが,損害賠償義務を規定する同条をもつて差止可能とする具体的根拠は不明であり,この点からしても本訴請求は失当である。
そこで,この点については原告らの具体的主張を待つとして,以下では,本件公開買付けに係る事実縫過を纏め,被告吉本興業が本件公開買付けに対してなした本件賛同意見表明が適正・適法なものであったことを明らかにする。
2 本件公開買付けに係る事実経過について
(1)被告クオンタムによる本件公開買付けの提案
被告吉本興業は,被告クオンタムから,被告吉本興業の企業価値向上に係る提案として,概要,下記の提案を受けた。なお,詳細は本件意見表明プレスリリース4頁及び5頁を参照されたい。
① インターネットやモバイルの普及,プロードバンド化及びコンテンツのデジタル化等、メディア環境が大きく変わっていく中で,被告クオンタムヘのメディア関連出資者 (以下「本件出資者」という。)のうち,訴外大成土地株式会社J訴外大成建設株式会社,訴外岩井証券株式会社,訴外京楽産業,株式会社及び訴外MCol号投資事業有限責任組合を除く者。以下「本件メディア関連出資者」という)にとって,被告吉本興業との資本関係を強化することは,今まで以上にスピーディーかつ安定的に優良なコンテンツの供給を受けることができるようになり,各本件メディア関連出資者の企業価値の向上に資する。
一方,被告クオンタムとしては,彼告吉本興業にとつて,景気悪化・国内経済成和に伴う国内コンテンツ市場の成長の鈍化は,被告吉本興業の今後のさらなる成長と収益性の改善にあたっての課題であり,被告吉本興業と本件出資者との資本・事業上の繋がりを直接的なものとすることは,被告吉本興業の今後の成長への新たな展望,収益の安定拡大のための経営基盤の構築に大きく資するものと期待している。
被告クオンタムは,本件公開買付け後の被告吉本興業について,具体的に大きく二つの方同への事業展開を模索していく。
第一は,国内における,本件メディア関連出資者及び被告吉本興業間でのコンテンツのマルチユースの加速,第二は,被告吉本興業のコンテンツ及びビジネスモデルのアジア展開である。
被告クオンタムは,被告吉本興業の現状の課題,今後の戦略及び現状を打開するための積極的なビジネスモデル変革は,必ずしも当初の想定どおりに収益に寄与するとは限らずリスクを伴うものである一方,上場企業として重視すべき各期利益の最大化という課題と中長期的競争力の強化という課題は,ときとして両立困難となる可能性もあると考えている。そこで,被告クオンタムは,被告クオンタムによる被告吉本興業の資本再構築を目的とする非公開化が実現すれば,被告吉本興業は,簡素化された株主構成の下,経営判断のより一層の迅速化を図り短期的な業績の変動に左右されることなく,機動的な経営判断が遂行できる組織体制を構築することが可能となるとの判断のもと,かかる被告吉本興業の資本構成の再構築を行うことを通じて本件メディア関連出資者や被告吉本興業との間のパートナーシップを確立することで,本件メデイア関連出資者及び被告吉本興業における企業価値の向上,ひいては日本のエンターテイメント産業全体の成長の可能性を速やかに追求し実現していくことが可能であると考え,本件公開買付けの実施を決定するに至った。
(2)被告吉本興業における本件公開買付けの検討
ア 被告吉本興業の現状と課題
被告吉本興業は,タレントマネジメントを基盤としたコンテンツ制作会社である。被告吉本興業の強みは,質・量共に他社を圧倒する豊富なタレントを継続的に創出することができるビジネスモデルを確立していることであり,この層の厚いタレントを源泉として,タレントマネジメント,コンテンツ制作及びコンテンツ配信・配給といった,多様な収益源泉を有している。
また,被告吉本興業は,タレントマネジメントを基盤としたコンテンツ制作会社として,“ お笑い分野”からの拡張を成長戦略にグループ全体における「モノ創り」体制の強化を図り,芸人のマルチ化(お笑いに加えスポーツ,音楽分野等にも進出),コンテンツのマルチ化(マルチメディア展開)及びジャンルのマルチ化(企業広告への展開)等,様々なマルチ化にこれまで取り組んできた。その結果、様々なジャンル・メディア・予算に応じた魅力的なコンテンツを制作、提供することが可能となっている。もつとも,被告吉本興業は,景気悪化・国内経済成熟に伴う国内コンテンツ市場の成長の鈍化が,被告吉本興業のさらなる成長と収益性の改善にあたっての課題であると考えていた。
イ 被告クオンタム提案の本件公開買付けに関する検討
こうした状況において,被告吉本興業は,被告クオンタムから上記(1)記載の提案を受け,本件公開買付けに関する検討を開始した。当該検討をするにあたり,被告吉本興業が講じた本件公開買付価格の公正性を担保するための措置等,本件公開買付けの公正性を担保するための措置は,概要以下のとおりである。
なお,被告クオンタムが議じた措置については,本件意見表明プレスリリース6頁ないし10頁記載のとおりと聞いている。また,被告役員らの利益相反回避のための措置等についても,本件意見表明プレスリリースを参照されたい(同9頁及び10頁)。
(ア)被告吉本興業は,被告クオンタムから提示された本件公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するための措置の一つとして,不当に恣意的な判断がなされないよう,被告吉本興業及び被告クオンタムから独立した第三者算定機関である訴外アビームを独自に選定し,被告吉本興業の株式価格算定を依頼した。
(イ)被告吉本興業は,外部の第三者である財務アドバイザー及び法律顧問に対し,本件公開買付けに関する包柘的な助言ないし本件公開買付けを含む被告吉本興業を非公開化させるための一連の取引(以下「本件取引」という。)についての法的助言を依頼し,これを受けながら,本件公開買付けを含む本件取引の是非及び本件公開買付けの話手続を含む諸条件等につき慎重に協議・検討した
(ウ)被告吉本興業取締役会は本件公開買付けの公正さを確保し,本件取引の透明性及び客観性を高めるために,被告クオンタム及び被告吉本興業から独立性のある委員3名から構成される第三者委員会(以下「本件第二者委員会」という。)を設置し,本件第三者委員会に対し,被告吉本興業取締役会が本件公開買付けに対して意見表明を行うにあたり,少数株主の利益保護の観点から,本件公開買付価格の妥当性及び一連の手続の公正性を確保するため,被告吉本興業取締役会に対して,被告吉本興業の取締役会が本件公開貿付けに賛同することの相当性及び本件公開買付価格の妥当性について意見を提出することを委嘱する決議を行つた。
(工)被告吉本興業の取締役会は,本件第三者委員会から,本件公開買付価格は妥当であり,本件公開買付けに対して被告吉本興業の取締役会が賛同意見を表明することは相当である旨の答申(以下「本件答申」という。)を受け】第三者算定機関である訴外アビームから取得した株式価値算定書及び一定の前提の下に本件公開買付価格が被告吉本興業株主にとって財務的見地から妥当である旨のフェアネスオオピニオン,並びに法律顧間から取得した法律意見書を踏まえて,本件答申の内容及び本件公開買付けを含む本件取引に関する諸条件について慎重に検討した。
ウ 上記イ記載の検討の結果,被告吉本興業は,被告吉本興業の資本構成の再構築を行うことを通じて,本件メディア関係出資者と被告吉本興業との間のパートナーシップを確立し,被告クオンタムの完全子会社となり,被告吉本興業株式を非公開化した上で,簡素化された株主構成の下,経営判断のより一層の迅速化を図り,短期的な業績の変動に左右されることなく,機動的な経営判断が遂行できる組織体制を構築し,被告クオンタムから提案されている大きく二つの方向への事業展開を模索していくことが,被告吉本興業の中長期的な企業価値を向上させるために有効な方策であるとの結論に至った。また,本件公開買付価格及び諸条件は被告吉本興業の株主にとつて妥当であり,本件公開買付けは被告吉本興業の株主に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断した。
3 本件賛同意見表明は,以上の経過のもと行われたものであり,その目的,種々の検討過程及び検討結果のいずれに照らしても,適正・適法なものである。
よって,被告吉本興業の行為は何ら違法ではなく,原告らの本訴請求に理由がないことは明らかである。
以 上
 
 
 
 
役員らの主張
 
まず、原告らの主張する「付議」というものが一義的でなく、請求の趣旨の特定に疑間が残る。この点は措くとしても、損害賠償義務を規定する民法709条をもつて差止可能とする具体的根拠が不明である。
また、そもそも、上記各議案には、その前提である被告クオンタム・エンターテイメント株式会社(以下「被告クオンタム」という。)による被告吉本興業の株式に対する公調買付け(以下「本公開買付け」といい、本公開買付け、上記各議案の決議を含む被告吉本興業を非公開化させるための一連の取引を以下「本取引」という。)を含め、何らの違法性も存しないことは、本答弁書で援用被告吉本興業答弁書第3のとおりである。さらに、被告役員らは、本公開買付け後の被告クオンタムの取締役への就任等に関してそれぞれ経営委任契約を締結した。かかる点を踏まえ、被告役員らは、本取引について特別の利害関係を有すること又は特別の利害関係を有するおそれがあることに鑑みて、本取引に関する被告吉本興業取締役会決議について、その審議及び決議に参加しておらず、被告吉本興業の立場において被告クオンタムとの協議・交渉にも参加していない。
以上のとおり、本取引には違法性がなく、そもそも被告役員らは本取引に関与していないのであるから、本取引に関して被告役員らの行為に違法性がないことは明らかである。
よつて、本件差止請求は失当である。
2 損害賠償請求(請求の趣旨第2項)について
原告らは、被告役員らに対して、達法な被告クオンタムのTOBを企画し、それを実行させ、しかもそれに対して賛同意見表明を行い、これは被告吉本興業の株式を持ち続けたいと願う原告らの期待を奪うものであるとして、原告らの精神的損害を賠償するよう求めている(以下「本件損害賠償請求」という。)。
しかし、本答弁書で援用する被告吉本興業答弁書第3のとおり、被告クオンタムのTOBを含む本取引は何ら違法ではないし、被告役員らはTOBの企画をしていないし、実行させてもいない。また、上記のとおり被告役員らは、このTOBに対する賛同の意見表明のための被告吉本興業の取締役会の審議、決議のいずれにも参加していないし、被告吉本興業の立場において被告クオンタムとの協議・交渉にも参加していないのであって、被告役員らは何らの違法行為も行っていない。
以上より、本件損害賠償請求は失当である。
 
 
 
 
クォンタムの主張
 
本案前の答弁
1 原告らの被告クオンタム・エンターテイメント株式会社に対する訴えをいずれも却下する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
との判決を求める。
 
本案の答弁
1 原告らの被告クオンタム・エンターテイメント株式会社に対する請求をいずれも棄却する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
との判決を求める。
 
2 本案前の答弁の理由
原告らは、被告クオンタム・エンターテイメント株式会社(以下、「被告クオンタム」という。)に対して、「被告吉本興業株式会社の株主総会において、・・・議案を付議してはならない」との請求を行うものである(請求の趣旨第1項)。
しかし、議案を「付講」するとの行為が、具体的に何を指すのかは明らかではなく、原告らが被告クオンタムのいかなる行為の差止めを請求する趣旨か不明である。
したがつて、原告らの請求の趣旨は特定明示されておらず、不適法であるから、却下されるべきである。
 
3 被告クオンタムの主張
前述のとおり、原告らによる「被告吉本興業株式会社の株主総会において、…議案を付議してはならない」との請求が、具体的にいかなる行為の差止めを請求する趣旨かは定かではないが、そもそも、被告クオンタムは、被告吉本興業株式会社の株主に過ぎず、議案を「付議」する立場にない。
したがつて、原告らの主張する請求の原因について詳細に検討するまでもなく、原告らの被告クオンタムに対する請求は棄却されるべきである。
以上